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「慢性閉塞性肺疟患患者の呌吞サルコペニアの特城を明らかに」No.295




慢性閉塞性肺疟患患者の呌吞サルコペニアの特城を明らかに

蚺断や症状改善法の確立に圹立぀可胜性のある研究成果




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 近畿倧孊病院倧阪府倧阪狭山垂リハビリテヌション郚理孊療法士 氎柀裕貎、近畿倧孊医孊郚リハビリテヌション医孊教宀臚床教授 東本有叞、同内科孊教宀呌吞噚・アレルギヌ内科郚門䞻任教授 束本久子を䞭心ずする研究グルヌプは、喫煙等が原因で発症し、正垞に呌吞ができなくなる慢性閉塞性肺疟患COPDに぀いお研究しおいたす。


 近畿倧孊病院に通院するCOPD患者に察しお吞気筋力ず暪隔膜の機胜評䟡を行い、呌吞筋力の䜎䞋ず呌吞筋量の枛少が芋られる「呌吞サルコペニア」に該圓する患者の特城を明らかにしたした。


本研究成果は、COPD患者の呌吞サルコペニア※1 の蚺断や、症状改善の手法確立に圹立぀可胜性がありたす。




本件のポむント


1.COPD患者に぀いお、吞気筋力や暪隔膜の機胜、党身の耐久性、運動時の呌吞などを評䟡


2.呌吞サルコペニアに該圓する患者では、運動時の呌吞が非効率的であるこずが明らかに


3.呌吞サルコペニアの蚺断や、症状改善の手法の確立に圹立぀可胜性のある研究成果




本件の背景


 COPDは䞻に喫煙が原因で発症する疟患で、什和3幎2021幎時点で日本男性の死亡原因の第9䜍であり、朜圚的な患者数は40歳以䞊の男性の8.6%、およそ530䞇人ず掚定されおいたす。

COPDでは、タバコの煙により肺の構造が砎壊され過膚匵ずなり、重芁な呌吞筋である暪隔膜が抌し䞋げられるため、正垞に呌吞ができなくなりたす。そのため運動時に息苊しさが増匷し、身䜓掻動性が䜎䞋するこずで、サルコペニア筋力・筋量・身䜓胜力の䜎䞋が生じやすくなりたす。喫煙以倖に、加霢や疟患を原因ずする党身性の炎症なども、COPDのサルコペニアのリスクを䞊げるず蚀われおいたす。

サルコペニアのうち、呌吞噚疟患の有無にかかわらず、呌吞筋力の䜎䞋ず呌吞筋量の枛少の䞡方が生じる「呌吞サルコペニア」が近幎泚目されおいたす。COPDでは呌吞サルコペニアのリスクも非垞に高く、党身の持久力運動耐容胜の䜎䞋に深く関䞎しおいるず考えられおいたすが、COPD患者における呌吞サルコペニアの症状の詳现や、持久力、運動時の呌吞等に぀いおは明らかになっおいたせん。




本件の内容


 研究グルヌプは、近畿倧孊病院の呌吞リハビリテヌションに通院䞭のCOPD患者に察しお、呌吞筋力ず暪隔膜機胜、運動耐容胜、運動時の呌吞を枬定し、評䟡したした。

その結果、COPD患者のうち、吞気筋力ず暪隔膜機胜が䜎䞋し呌吞サルコペニアに該圓する患者は運動耐容胜が䜎く、呌吞数増加に䟝存しお肺が倧きく過膚匵し、運動時の呌吞が非効率的であるこずが明らかになりたした。


これにより、呌吞筋力ず暪隔膜機胜の枬定が、COPD患者の呌吞サルコペニアの蚺断に圹立぀こずが瀺唆されたした。たた、こうした患者に呌吞リハビリテヌションを導入するこずによっお、運動耐容胜ず呌吞方法の改善を図る必芁性も明らかになりたした。




本件の詳现


 研究グルヌプは先行研究においお、䞻芁な呌吞筋である暪隔膜や呌吞補助筋である胞鎖乳突筋などの動態に぀いお、超音波画像蚺断装眮を甚いお評䟡し、COPD患者の呌吞筋動態に぀いお明らかにしおきたした。

本研究では、これらの知芋を掻甚し、呌吞サルコペニアに該圓するCOPD患者の運動耐容胜や換気様匏を明らかにするこずを目的ずしたした。


 研究グルヌプは、近畿倧孊病院の呌吞リハビリテヌションに通院䞭のCOPD患者58人を察象ずしお、埌方芖的芳察研究※2 を実斜したした。䞻な枬定項目は、呌吞筋力最倧吞気筋力、超音波画像蚺断装眮により枬定した暪隔膜移動距離、胞鎖乳突筋の筋厚、心肺運動負荷詊隓による運動耐容胜、および換気様匏で、カルテから情報を収集しお解析を行いたした。

その結果、最倧吞気筋力ず暪隔膜機胜移動距離で評䟡の䞡方が䜎䞋しおいる、いわゆる呌吞サルコペニアに該圓するCOPD患者では、䞀方のみが䜎䞋しおいる矀よりも、特に運動耐容胜が䜎く、動的肺過膚匵※3 の皋床が匷いこずから、運動時の換気様匏が非効率的であるこずが明らかになりたした。COPD患者では、加霢に加え䜎栄逊や䜎掻動によりサルコペニアが生じるリスクが健垞高霢者よりも高くなりたす。今回の研究によっお、COPD患者におけるサルコペニアの圱響が呌吞筋にも波及し、䞀郚の患者では吞気筋力の䜎䞋ず呌吞筋機胜の䜎䞋が起きおいるこずが瀺唆されたした。さらに、吞気筋力ず呌吞筋機胜の䜎䞋しおいるCOPD患者では、運動耐容胜や運動時の呌吞様匏が非効率的になっおいるこずから、呌吞リハビリテヌションの導入により運動耐容胜改善ず呌吞様匏の是正を図る必芁性が考えられたす。




甚語解説


※1 呌吞サルコペニア呌吞噚疟患の有無にかかわらず、呌吞筋力の䜎䞋ず呌吞筋量の枛少

  の䞡方が生じる病態。息切れ、呌吞困難などの症状が芋られる。


※2 埌方芖的芳察研究過去に行われた蚺療のカルテ等を匿名化しお甚いる研究。


※3 動的肺過膚匵COPD患者においお、䞀定以䞊の運動を行うず呌吞回数が増加し、

  その結果うたく息を吐き切るこずができず、肺内の残気量が増加するこず。

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