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あなたの悩む“身体の苦痛”に必要なものは…

“リハビリ” ですか?

“治療”   ですか?



 

“リハビリ” という言葉が独り歩きしている・・・



 リハビリテーション(rehabilitation)とは、本来「人間にふさわしい権利,資格の回復」を意味します。

現在は「障害のある人々を身体的,心理的,社会的,職業的,あるいは経済的に,各人それぞれの最大限度にまで回復させること」として使われています。いわゆる理念です

この理念は,単に身体機能の障害だけではなく,障害者が社会で生きるうえで負わされた、さまざまなハンディキャップのすべてを軽減させ,自立性を向上させることによって,障害者の人間らしく生きる権利を回復させることを意味するものです。



この目標を達成するための専門分野は,


「医学的リハビリテーション」:理学療法や作業療法などにより生理的な機能の回復あるい

               は代償能力の開発をはかる。

「職業的リハビリテーション」:職業訓練や職業紹介などにより職業能力の回復と職業生活

               への定着をはかる。

「社会的リハビリテーション」:ケースワークや在宅援助などにより社会生活や家庭生活へ

               の適応をはかる。

「教育的リハビリテーション」:障害児に対する教育面をさす。

「心理的リハビリテーション」:精神療法,心理学的判定,心理学的サービスなどをさす。


に大別されます。



 一般に“リハビリ”という場合、骨折や脳卒中などの回復段階における、身体機能回復のための作業療法や理学療法による「医学的リハビリテーション」を指すことが多いのですが、他に教育的、職業的、社会的リハビリテーション 等の分野があるわけです。


そして,これらが障害者のもつ多様なニーズに応じて有機的,総合的に行われることが重要となります。その内容は、冒頭に記した、リハビリテーションを「全人間的復権」とする邦訳があるように、ハンディキャップの認識とその解決への多職種の連携による総合的な援助が含まれてくるわけです。


<ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典/知恵蔵の解説より>



 

一般に“リハビリ”という場合「医学的リハビリテーション」を指すことが多いのですが・・・



プロテニス・プレヤー 錦織圭 氏 の 選択


Yahoo!japan ニュース 掲載より 2017年10月28日 10時41分





完全復活へ汗流す日々、現地ベルギー話題「なぜ!?ここでリハビリをしているんだ?」


 男子テニスの世界ランク15位・錦織圭(日清食品)は右手首の腱損傷のため、8月から今季残りのツアーを欠場。かつての女子世界1位の名手キム・クライシュテルス(ベルギー)が設立したアカデミーでリハビリに励んでいるが、現地ベルギーで「なぜここでリハビリをしているんだ?」と話題を呼んでいる。


「トッププレーヤーのケイ・ニシコリは、いかにしてリンブルフリハビリすることになったのか?」と特集したのは、ベルギー地元紙「ニウスブラッド」だ。


ベルギー地元紙「ニウスブラッド」の記事は、錦織が5週間にも渡り、ベルギーのリンブルフ州ブレーの「キム・クライシュテルス・アカデミー」でリハビリに励んでいると紹介している。


 グランドスラムで計4勝、今年に国際テニス殿堂入りを果たした女子の名手、クライシュテルスがプロ選手を目指すタレント育成のために設立した、いわば 虎の穴のアカデミーこそが、完全復活のために選んだリハビリの舞台だった。



“虎の穴”施設が擁する専門家とは? クライシュテルスも錦織を激励


 錦織は8月にシンシナティで行われたW&Sオープン開幕前の練習で右手首の腱を損傷。様々な専門家の診断を受けた結果、手術はせずに、保存治療を選択していた。


クライシュテルス・アカデミー(施設)では、右手首に人体の治癒力を最大限に生かすオステオパシー医学の専門家、サム・ヴェースレジャース氏の治療を受け、腱の自然治癒を促進するためにベルギーを選択。


2017年10月21日、右手首腱断裂で今季全休 錦織がベルギーで“始動”していた錦織がキム・クライシュテルスのアカデミーで、10歳以下の子供が使用する軟らかいテニスボールを軽くだが、打ち返すいわゆる 運動療法)動画がアップされている。


右手首腱の部分断裂は手術せず、保存療法で回復。ラケットを手に実際に動き出したとなると、ツアーへの復帰はいつか。アカデミー長のカール・マーズさんは「彼を迎えることができたのは喜びです。彼は謙虚でした。プロとして取り組んでいました」と説明したという。


リハビリの日々にも謙虚なプロ精神を示したという錦織。今季は故障に泣き、無冠に終わったが、来季こそは完全復活を果たしてくれるはずだ。


すでに来年2月中旬に行われるニューヨーク・オープン(米ニューヨーク)、2月下旬にはメキシコ・オープン(アカプルコ)への出場が内定しているが、1月下旬の全豪オープンや2月上旬のデビス杯(盛岡)はどうするのか。


ベルギー地元紙「ニウスブラッド」の記事より.



 

錦織圭 氏 の 選択 を要約                       



プロテニス選手の錦織圭 氏は、右手首腱断裂を受傷。


様々な専門家の診断を受けた結果、手術はせずに、保存治療を選択した。


その「医学的リハビリテーション」の場として、ベルギーの施設を選択した


その理由は、「人体の治癒力を最大限に生かす“オステオパシー医学”による治療を、医療の専門家(欧米では医者ならびに国家資格者だけにオステオパシー施術が許されている.)に受けるため選択した。


オステオパシー医学(保存治療)により損傷の治癒回復が進み、運動療法を開始できるようになった


プロテニス・プレヤーとしての完全復帰を目指して「医学的リハビリテーション」「職業的リハビリテーション」に汗を流している。



 

「選択」の重要性・・・                    



 上記の「リハビリテーションとは・・」にも記載されているように、「全人間的復権」という非常に深い意味を持ち、人の尊厳に近づく言葉であるがゆえに、理解しづらく、曖昧なまま社会で使われており“リハビリ”という偶像が「一人歩き」しているのが現状と思われます。

そのような状況下ですので、なんでもかんでも“リハビリ”と片付けてしまう傾向が一層高まっているのではないでしょうか。


 一般に“リハビリ”という場合「医学的リハビリテーション」を指すことが多いのですが、医療保険上で「医学的リハビリテーション」を実施するには、お医者さんの指示が必要であり、お医者さんを代行して療法士が行います。

お医者さんが“リハビリテーションを指示する”ということは、「病」以外に、必ず何かしらの「生活遂行上の障害」「病気による後遺症」が残存しているとなります。その指示課題に対し、各専門職が下記法律に謳われている専門分野を実施し、課題の改善に努めていくわけです。


(参考に)日本国憲法における定義は以下の通りになります。


「理学療法」とは:身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図る

         ため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサー 

         ジ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。


「作業療法」とは:身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は

         社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわ

         せることをいう。


「言語聴覚士」は:「厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機

         能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を

         図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導

         その他の援助を行うことを業とする者」として定義されている。

         言語聴覚士の職務は医療にとどまらず、福祉や教育にもまたがってい

         るため、理学療法士や作業療法士とは異なり、「医師の指示の下に」

         業を行う者とはされていない。ただし、言語聴覚士の職務の一部には

         「身体に危害を加えるおそれのある行為」があり、これらについて

         は、医師や歯科医師の指示の下に行うものとされている。具体的に

         は、嚥下訓練、人工内耳の調整、その他厚生労働省令で定める行為に

         ついてである(第42条)。この「その他厚生労働省令で定める行為」

         には、他動運動や抵抗運動をともなったり、薬剤や器具を使用したり

         するものに限って、音声機能、言語機能にかかわる検査と訓練も含ま

         れる。


 しかし残念なことに、私たちの住む町には真の「医学的リハビリテーション」を実践できるところは無く“リハビリ”と称して、「歩行できる人にはマッサージして“はい歩きましょう”」と、「寝たきり状態の方には“マッサージして終わり”」と、一辺倒の療法だけが行われているようです。理学療法士ならともかく、作業療法士、言語聴覚士、も同じことをしている状況を見てきました。


 要するに、個々の抱えている問題「生活遂行上の障害」「病気による後遺症」の機能的問題を評価できない、その問題を解決する「治療体操・運動」「マッサージ技術」「物理療法」「応用的動作訓練」「作業訓練」「言語訓練」「嚥下訓練」を、できない・やれない。そして、改善の予後予測を思考できない。

このような状態にあると考えられます。



 

ここで考えていただきたいのは、果たして「あなたの身体の悩み、身体の苦痛」を改善できるのは“リハビリ”でしょうか⁈ ということです。



 上記に記載したリハビリにおける解決策の中で、そのことに対応できる項目は「マッサージ」「電気などの物理療法」だけとなりますが。果たして “リハビリ”経験された方の中で、身体の苦痛が軽減したと実感された方は、どれ位いるでしょうか?


「身体の悩み、苦痛」は、「構造的機能的問題」が多くの場合「原因」となります。

よって“リハビリ”では、改善に導くことはできないということになります。


 広い視野に立って療法士の世界を見た場合、「医学的リハビリテーション」における、「生理的な機能の回復」を目指す過程で、理学療法以外の療法の勉強・習得に励み、医学的リハビリテーションの中で、個々の「身体の悩み、苦痛」改善を希望する方に対し、成果を出せる理学療法士も多く存在しております。しかしただ、私たちの住む町の「医学的リハビリテーション」の中には、そのような療法士は1~2名しか存在しません。


 「医療」そして「医学的リハビリテーション」の過程の中では、大枠な視点で「治療」から「運動、練習(訓練)」までとなります。

前ページに掲載した「プロテニス選手 錦織 圭 氏のケース」からも、お解りいただけるかと存じます。



 

「身体の悩み、苦痛」を抱えている方へ。



 基本的に「医学的リハビリテーション」は治療する世界では無いということを認識いただき、治療を希望されるのであれば、まずお医者さんに掛かり検査・治療を受けることをお勧めします。


そして「検査ではなんの問題もないようです」と言われた、「お医者さんの治療は終わったが・・・」「治療は受けているが・・・」改善が進まないという方には、「オステオパシー医学」による施術を試していただきたいと思います。



 ご自身の「身体の苦痛を緩和したい」/「運動できる身体になりたい」のであれば“治療”できるところへ体力をつけたいのであれば“運動や練習(訓練)”できるところへ、と「選択」されることを切に願う次第です。



 


医学的リハビリテーションを経験してきた、一人の理学療法士としての視点から。


皆様の健康を願う、皆様と同じ町に住む、一人の治療家として。



未在代表 松舘 敏


平成29年12月推敲

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